堺自然ふれあいの森

施設概要

ふれあいの森のあゆみ

 ふれあいの森は、堺市でも豊かな自然環境が残され、田園風景が広がる南部丘陵の一角に位置しています。
 
 平成13年に市民協働で里山保全型の公園づくりがスタートしました。 スタート時に公募で選ばれた市民委員と、市職員、地元大学の大阪府立大学が協働して設計から運営管理まで行う、全国でも先進的な取り組みで創られた公園です。

 平成18年4月に「堺自然ふれあいの森」として開園し、現在は株式会社生態計画研究所と市民ボランティア団体であるNPO法人いっちんクラブが「ふれあいの森パートナーズ」を結成し、公園づくりを行っています。
 

ふれあいの森活動プロセス

活動プロセス
2001年(H13) 8 ・堺市が「(仮称)自然ふれあいの森」の基本計画・基本設計と管理運営に関する検討委員会を設置し、市民委員(5名)を公募した。
・委員会は検討結果を提言書にまとめ堺市に答申した。
2002年(H14) 4 ・検討委員会の答申を受け、堺市が「(仮称)自然ふれあいの森」管理運営準備委員会を設置。市民委員を公募し、30名が参加した。
6 ・ワークショップでの意見交換と現地を知るための観察・探索・活動拠点の広場作り等を行った。
9 ・活動別の4班(学術班、開拓班、食事班、遊び班)が活動を開始した。
10 ・'ふれあいの森においでよ'をテーマのイベントを開催した。
2003年(H15) 1 ・ふれあいの森を、里山復元ゾーン、里山活用ゾーン、里山保護ゾーンの3ゾーンに分け管理することを決定した。
4 ・「さとやまと'友達'になろう」シンポジウムを開催した(参加者約100名 泉ヶ丘図書館大ホール)
5 ・「(仮称)自然ふれあいの森」管理運営準備委員会は、活動充実のため新たに市民委員を公募し、市民委員43名で活動を継続し、以後、常時入会者を受け入れることになった。
6 ・(仮称)を取り除き「堺自然ふれあいの森」委員会に改称した。
・運営組織は全体会議で合意された広報、イベント企画、調査、森の管理、農の管理の5班による班活動を開始した(市民委員68名)。
10 滋賀県「河辺いきものの森」で、最初の里山実地研修会を実施した。
2004年(H16) 2 ・「農の管理」班は、念願だった稲作ができる水田と用水路を復元し、6月に田植えを行った。
・その後、田植えと稲刈りは、毎年市民公募のイベントとして開催し、12月には収穫祭として収穫した餅米を使って餅つきイベントを開催している。
・「森の管理」班は、散策路整備のためのルート調査を開始した。
2005年(H17) 6 ・「堺自然ふれあいの森」委員会は、会員の多数決により任意ボランティア団体「いっちんクラブ」に改称し、自立した市民組織として充実を図るためクラブ規約等の準備を開始した。
・また開園へ向け広場や散策路の整備を進め、試験区の設置や調査データの収集にも取り組んだ。
・会員交流誌「あらかしひろば」(月刊)を会員が自ら編集し発行を開始した。
2006年(H18) 4 ・4月2日「堺自然ふれあいの森」が開園した。

テーマは「森の学校」

 人里近くにあり、人のくらしや農作業と密接に結びついた薪炭林のことを「里山」と呼びます。
田畑や雑木林などの多様な環境がモザイク状に入り組んだ里山は、多くの命の育み、人と自然との関わりの中で、多様な文化を育ててきました。
 
   ふれあいの森は、元は休耕された田畑と管理を放棄された雑木林からなり、里山としての力が失われようとしていました。
そこで「森の学校」をテーマに、人と里山との新しい関わり方を学び、里山文化を継承する場としての公園づくりを進めてきました。
 樹林地や湿地、草地等の整備に際しては、生物調査を実施し、その結果を受けて整備方針を立て、間伐や択伐、落ち葉掻きを行い、実施後の変化を調査して次の整備方針を見直す、順応的な管理を行っています。
 間伐材は散策路の整備やシイタケを栽培するほだ木として利用し、落ち葉や刈り取った草は推肥化し田畑にすき込むなど、自然のサイクルに合わせた「循環利用」を大切に、里山環境の保全と環境教育プログラムの提供を行っています。

市民協働

堺自然ふれあいの森は、開園前から市民協働による公園作りを進めています。

活動趣旨・主な活動

いっちんクラブのボランティアが活動を担っています。人と自然、人と人とのふれあいを大切にするとともに、堺自然ふれあいの森の里山保全・ 管理活動の支援を行い、自然環境の保全、活用、復元を図っています。
調査・研究
「学びながらデータを集積する」をモットーに、植生モニタリング調査(林床管理区域、湿地管理区域)、 生き物調査(昆虫、野鳥、哺乳類、動植、水生生物など)の継続的実施および全体植生図の作成を行っています。
樹林管理
調査や散策に必要な散策路の整備や広場のネザサ刈りなどを行っています。今後は、散策路沿いの立ち枯れの樹木の処理や適度な間伐などを行い、自然豊かな「ふれあいの森」に市民を迎えたいと考えています。
農作業体験
かつて田畑であった荒地を開墾復元すると共に、落ち葉を利用した堆肥づくりにも取り組んでいます。昔ながらの方法で作付けを行い、植え付けや収穫の際には子どもたちにも体験してもらっています。
環境学習
市民や会員を対象とした環境教育を目的とし、森のガイドなどの企画を行っています。
クラフト
堺自然ふれあいの森の材料を使った、木工クラフトを行っています。月一回、第一日曜日にクラフト教室を開催しています。
広報
NPO法人いっちんクラブでは、「人と自然」、「人と人」のふれあいを目指したクラブ会報誌『あらかしひろば』を毎月発行。各活動や調査データの紹介、田植えや稲刈りなどの楽しいイベントも掲載しています。

いっちんって?

堺自然ふれあいの森には、シリブカガシという常緑広葉樹が数多く見られます。
「いっちん」とは南区の上神谷・美木多地域で地域で用いられているシリブカガシの俗称です。

指定管理者

堺自然ふれあいの森は、指定管理者制度により公園の管理運営を行っています。
ふれあいの森パートナーズが指定管理者として、2014年4月より堺市の業務を代行しています。
ふれあいの森パートナーズは、 株式会社生態計画研究所・NPO法人いっちんクラブの連合体です。
「こども自然王国」(新潟県柏崎市)や 「国営木曽三川公園 自然発見館」(岐阜県各務原市)等 全国11箇所の類似施設の運営管理・環境学習プログラムの提供 ・自然環境調査・自然環境保全計画 をおこなっています。
株式会社生態計画研究所についてはこちら
平成14年3月から「堺自然ふれあいの森」の開園準備を市民協働で行い、開園後も順応型管理による森の保全整備活動やふれあいの森らしい各種イベントを開催し市民の皆さんに自然環境を学習する場を提供しています。平成21年2月にNPO法人格を取得しました。
NPO法人いっちんクラブについてはこちら

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